「桐」という木材、名前はどなたも聞いたことがあると思います。人によってはタンスに使う材料というイメージもあるでしょう。桐は日本で古くから愛されている木材ですが、そのメリットをあまりよく知らないという方も多いようです。
そこでこのコラムでは桐の特徴などをわかりやすく解説し、桐を使ったリフォームのメリットについて丁寧に解説していきます。ぜひ最後まで読んでリフォームを考える際の参考にしてくださいね。
桐の概要
ここではまず桐という木材の性質や特徴について解説していきましょう。
桐ってどんな木材?
桐の原産地は中国大陸と言われていますが、日本では古く飛鳥時代には渡来して、植林もされていたことがわかっています。そのため日本人にとってかなり長くから親しまれてきた木材で、現在では福島県や岩手県、岡山県や広島県が産地として有名です。外国産では中国や台湾、アメリカ、ブラジルなどからの輸入も行われています。
桐の特徴
桐は適度に湿度を出し入れしてくれる特徴があるので、タンスとして使って中の衣服を極端な湿気や乾燥から守ってくれる働きが特徴的です。
桐は木材として使用する前に、黒ずみを防ぐためのアク抜きという工程と、乾燥する工程があります。近年はアク抜きの手間を省いて、化学的な薬剤で漂白している材料があります。また、乾燥の手間を減らすために加熱している木材も存在しています。安さを優先するあまり、適切なアク抜きや自然乾燥の工程を省かれた桐は、短い期間のうちに割れたり曲がったり、嫌なにおいがしたりしますから、桐本来の持ち味が台無しです。タンスやフローリングに使う桐は、ぜひ丁寧に扱われたものをご使用ください。
桐を使ったリフォームのメリット
ここでは桐をリフォームに使う場合のメリットを、具体的なポイントをあげながら紹介していきましょう。
桐をフローリングに使うメリット
桐は適度なクッション性と温かさを特徴としているので、床材に非常に適した素材であると言えます。ここからはその性質ごとにメリットを細かく記述していきましょう。
・調湿性
桐は周囲の湿度を一定に保ってくれる調湿性という機能を持っています。周囲に湿気が多ければ水分を吸収してくれますし、周囲が乾燥していれば内部の水分を吐き出して乾燥を防ぎます。そのため衣類の保管に向いていますし、住んでいる人にも心地よい空間を作ってくれるのです。
・保温性
桐は目に見えない非常に小さな穴が無数に空いている「多孔質」と呼ばれる木材です。この微小な穴は空気を蓄える能力があるので、天然の断熱材的な働きをしてくれます。
・弾力性
桐は木材の中でも非常に高い弾力性を持っています。そのため肌触りがよく、床材にした場合、心地よく歩くことができます。
・火災に強い
桐は発火点が425度と高いので燃えにくく、燃えた場合は早く炭化するので延焼しにくい木材です。そのため古くは重要な書類やお金を入れる場所としても利用されていました。
・復元性が高い
桐をフローリングにする場合、その柔らかさから傷がつくことを懸念する人も多いと思います。しかし、桐には高い復元性もありますから、多少のへこみであれば容易に直すことが可能です。
桐を使った家具
前の項目で上げたように、桐は高い調湿性や保温性、難燃性があるため、中に入れたものを守ってくれる働きがあります。また、桐に含まれているパウロニンやセサミンという成分は虫よけや抗菌作用があるので、その点でも衣服や紙類の保存に適しています。
また、桐は柔らかいので耐久性が低いと思われがちですが、桐が含むタンニンは防腐剤の役割を果たしますから、中に入れたものだけでなく桐そのものも腐食しにくい性質を持っています。
まとめ
「桐」という木材の特徴や、桐を使ったリフォームのメリットについてまとめました。
横浜市青葉区にある「アット!こどもの国」は、木材を扱うことを得意とするリフォーム専門の会社です。今回は「桐」をテーマにしたコラムですが、桐板の性能を最大限引き出すためには原木の調達から皮むきして製材、しっかりと水槽でアク抜きしてから自然乾燥及び人工乾燥をして製品になるまで半年近くかかります。桐が本来持っているポテンシャルの全てをお客様に味わってもらいたいという思いから使用材料を厳選しています。また成長が早い桐を使用することで無駄な資源の使用を防ぎ森林を環境破壊から守り、CO2を効果的に分解して地球温暖化の防止にも役立ちたいという思いもあります。(桐はCO2の吸収率が良いことで知られています)
50年以上前に材木商としてスタートした当社は、木材が持つ特性やメリットを知り尽くしており、桐以外の材料でも仕入れ時の目利き、機能や仕様を落とすことなく費用を抑える知識や技術を、住宅の建築やリフォームに徹底的に盛り込んでいます。一級建築士が行う設計とデザイン、技術コンテストで最優秀賞をとる職人の腕が織りなすリフォームは、発注された多くの方に喜んでいただいています。
木材の特性を生かした心地よい住宅建築やリフォームをお望みであれば、ぜひ「アット!こどもの国」にご相談ください